2025年1月29日、南会津町で「杉林の香りは、調味料。」と題した一日限りの特別なレストランツアーを開催。
冬の静寂に包まれた南会津の杉林を舞台に、杉の香りを「調味料」としてとらえ、五感で味わうこのツアー。 今回のテーマは「塩」。杉の香りと塩の組み合わせで生まれる新たな味わいを日本料理で楽しんでいただきました。
雪山散歩とかんじき体験
「じね~んの森」に集合。「ふくしま森の案内人」よっちゃんのガイドのもと、かんじきを履いて雪山散歩が始まりました。


雪に覆われた杉林を歩きながら、冬の森の静けさや美しさを肌で感じる冬だけの森の楽しみ方。よっちゃんからは、南会津の自然や生態系についての解説もあり、冬ならではの森の姿に皆さん興味深々で観察をしていました。

午前中はいいお天気!晴れた冬の南会津は素敵な写真が撮れちゃうんです。

真っ白な雪が太陽光をよく反射し自然光が均一に広がるので、陰影が柔らかくなり、全体的に明るい美しい写真撮れるんです。みなさん、素敵な写真を沢山撮っていました。
杉の採集体験
雪山散歩の後は、今日の食材となる杉の採集を。杉の枝葉は、この後の料理に使用されるため、皆で大切に持ち帰りました。



程よい疲労におにぎりが染みわたる
雪山の散策後はおにぎりタイム!程よく疲れた体にしおむすびとお味噌汁が染みわたります…。

杉や森の香りの座学
お食事の後は南会津の杉や森の香りと塩の関係を学ぶ座学。森の現状や杉の香りの可能性について、お話をさせていただきました。


杉塩と黒文字塩づくりワークショップ
座学後は、杉塩と黒文字塩を作るワークショップ。
まずは輪島シェフによる「塩の基礎講座」が行われ、塩の種類や特徴について学びました。

続いては実践!チームに分かれて、杉塩、クロモジ塩、ハーブ塩を作っていきます。

杉の枝葉や黒文字を使いながら、じっくりと香りを塩に移し進めていく作業は、香りを「食材」として扱う新鮮な体験。

参加者同士で香りの違いを比べながら、自分だけの杉塩・クロモジ塩を作る時間は、創造的で楽しいひとときになりました。

杉林の塩を贅沢に使った日本料理を堪能
ツアーのクライマックスは、塩を相談した日本料理のコース。 今回も葉山の名店『輪島』の輪島シェフが時々特別な料理が提供されました。 杉塩を上手に使ったコースは、杉の香りと塩の奥深さを引き出し、五感で楽しむ食体験に。
笑顔と驚きの溢れる時間になりました。




おしながき


スギの経木(薄くスライスしたもの)から取った出汁と昆布出汁を合わせて杉の葉に注いだもの。
杉の木部、昆布、杉の葉の香りが合わさって仄かだけど、印象に残る香り。

野菜や魚介の天麩羅に、自分でつくったスギとクロモジの煎り塩をつけて。
それぞれの塩の香りの違いを楽しみました。

蒸した甘い葱とすっぽんのほぐし身を加えた卵豆腐をすっぽんの出汁とスギの経木を合わせた出汁でお吸い物に。

お造りに、自分達でつくったお塩をあわせて。お塩によって味わいが違うのが驚きでした。

低温調理したジビエ「鹿肉」の赤身に、様々な塩をかけて。

杉の幹をともに煮た卵雑炊。杉の香りがふんわり香る新体験だけど、滋味深い味でした。

バニラアイスの最中に、マイルドなエキストラヴァージンオリーブオイルと燻製塩。
バニラアイスにオリーブオイルが絶妙な美味しさ。
ツアーを終えて
杉の香りを「調味料」として味わう——そんな新しい視点から始まった今回のツアー。 実際に雪山を歩き、杉を採集し、香りを知り、自分の手で塩を作る。 そして、輪島シェフの手によって杉の魅力が最大限に引き出された料理を味わう。 この一連の流れを通して、杉がただの木ではなく、食を豊かにする存在であることを感じて頂けたのではないかと思います。
南会津の森には、まだ知られていない香りや味わいの可能性が眠っています。
このツアーが、その端を広く伝えるきっかけになったのなら、とても嬉しく思います。これからも、森と食のつながりを探りながら、新しい体験をお届けしていきたい思っています。

