学名:Magnolia salicifolia
科名:モクレン科
抽出部位:枝葉
抽出方法:水蒸気蒸留法
ノート:ミドルノート
精油の主な成分:1.8シネオール、サフロール、サビネン、カンフェン、β-ピネン など
産地:福島県会津地方
ニオイコブシ(匂い辛夷)は別名タムシバといい、古くからその香りの良さで知られています。
一十八日の精油を採取している南会津では古くから、ニオイコブシの花をアルコールに漬け香料を作り香水の原料として販売していました。葉を噛むと仄かな甘味がすることから『噛む柴』と呼ばれていたものがタムシバと呼ばれるようになったと言われています。
生薬で辛夷(しんい)と呼ばれているものが、このタムシバの冬芽を乾燥したものです。辛夷は含まれる精油の効果があるのか、頭痛薬や鼻炎薬に使われています。
植物の採取場所により香りが全く異なり、一十八日のニオイコブシは爽やかなグリーン調の香りの中にシトラスとスパイスを感じさせる複雑な香りになっています。これは、成分の中にオイゲノールという成分が含まれている為で、シナモンのような芳香が香りに深みを持たせています。
ニオイコブシの花は春先に白い花を咲かせます。まだ雪の残る山の中で咲く花は雪国に春の訪れを告げる花としても親しまれています。
ニオイコブシは群生をしておらず、精油の原料になる木を採取するにはニオイコブシの生えている場所を探し出し、1本1本採取しなければなりません。山の中での作業になるため、精油として蒸留する分を確保するには大変な作業になります。また、他の木と紛れてしまうため山や木を良く知る職人でなければ採取をすることが出来ません。
採油率もヒノキなどと比べると低く、大変貴重な精油となっています。
※皮膚への刺激が強いので使用量に注意してください。妊娠中は使用を控えてください。